2022/3Q最新/今一番買いたいIT大手株Amazonの特徴/3分解説

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米国企業の解説
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はじめに

 2022年後半、景気後退懸念から需要が後退し、Amazonも売り込まれそうな気配がありますが、売った方が良いのか、ホールドか、それとも買い増しか分かるようになると思います。

【ここに注目】

  • どれだけキャッシュリッチな会社か?
  • どのセグメントが稼いでいるのか?
  • 成長は止まったのか?

決算書と比較しやすいように、1ドル=100円として記載しています。

どんな会社?

出所:会社資料より筆者作成

【会社概要①】Amazonは皆さんご存じのネット通販の大手です。

【会社概要②】忘れてはいけないのが、AWS事業(データセンター)の存在です。売上規模でいうと、全体の16%程度ですが、データセンターでは世界最大で、会社の利益のほとんどをAWS事業が稼いでいます。

出所:会社資料より筆者作成

キャッシュリッチ

 まず、Amazonで一番驚くのが、キャッシュをめちゃくちゃ稼いでいることです。2022年3Qを例にみると、営業利益が2,525億円なのに対して、営業キャッシュ・フローは1兆1,404億円となっています。

出所:会社資料より筆者作成

 営業キャッシュ・フローの推移を見てみると、4Qに大きく稼ぎ、1Qに大きく落ち込むという季節性があるものの、年間でみるとかなりキャッシュを稼いでいることが確認できる。なお、直近の営業キャッシュフローは、2022/2Qで8,965億円、3Qで1兆1,404億円って、もう何でもできそうです。 現預金保有額も巨額となっており、2022年9月末時点で3兆4,947億円を保有しています。 この資金力を活かしてロボット掃除機ルンバのアイロボットを約17億ドル(2,300億円)で買収しています。

(考察)アイロボットの買収では、家全体を自動化させるというのが表向きの発表ですが、ロボ関連で伸ばすか、軍需が想定される。また現預金がまだまだ豊富なため、さらにM&Aが加速する可能性あり。

まだまだ成長過程

 巨人となった今でも、常に成長しています。 2022/2Qの売上成長率は2.7%と鈍化しているように見えるが、売上高の平均成長率(5年平均)は28%である。 2022/3Qの売上成長率は14.6%と伸ばしてきている。北米での売上が2022/3Qで7.8兆円に対して、海外での売上は2.7兆円(前年2.9兆円より鈍化)なので、海外部門はさらに拡大余地あります。これはドル高になっていることも大きく関係しているが、時間が解決することかと思われる。 日本でも配送拠点をさらに18か所増やしていることからも明らかのように、まだまだ成長を止めていません。AWS(データセンター)と広告の急成長しています(後述)。

出典:会社の決算資料を筆者加工

Amazonは、通販の会社ではなく、データセンターの会社だ

 2021年通期の会社全体の営業利益は2兆4,879億円となっている。ただし、通販事業の営業利益率は低く、さらに海外事業では赤字となっており、その赤字をAWS(データセンター)部門の1兆8,532億円の黒字で補っています。この傾向は年々強まっています。ただし、通販事業は勝者総どりをするために、上場以来ずっと赤字でやってきたこと、4半期でみた場合、黒字となっている時期もあること、AWSの黒字で大きくカバーできているので、会社全体としてはそこまで問題になることではない。 ただし、2021年3Q以降海外セグメントの営業赤字が拡大(下の図の黄色の棒グラフ)しているので、ここは注視する必要がある。一方で、AWSの営業利益は2022/2Q,3Qは若干鈍化しているものの拡大傾向であることが分かる(下の図の緑色の棒グラフ)。

出所:会社資料より筆者作成

 つまるところ、Amazonは通販事業がメインの会社に見えるが、その実はデータセンターのAWSの会社と捉えて、その営業利益率、売上成長率を見た方が、真の姿が見える。そこで、AWS事業の営業利益率と売上成長率を見てみると、2022年に入ってから若干成長率が鈍化しているようにも見える。一方で、営業利益率は高い水準を確保しており、常に25%以上を営業利益率を叩き出している。

 ジョンソンエンドジョンソンのように、利益率の低いヘルスケア部門を分割したように、Amazonも利益率が低い通販事業(北米セグメント+海外セグメント)を切り離す会社分割を迫られる日が来ることも想定される。

出所:会社資料より筆者作成

リヴィアンの存在

 単に配送トラックの自動運転を狙っているわけではない。 アマゾンは2040年までに事業全体でのCO2排出を実質ゼロにするというビジョンを示していて、EVトラックなどからの排出権獲得を視野に入れています。 下の図の「Other income」からも分かるが、リヴィアン株の上下の影響がここに出てきてしまっています。このため、Amazonの利益を見る場合、当期純利益で見るのではなく、営業利益で見る方が実態を掴みやすいと思われます。下記は2022/2Qだが、毎決算同様の影響がでる。

出典:会社の決算資料を筆者加工

コスト増

 売上が増加していないにも関わらず、配送費(原油価格)/人件費等の高騰によりコストが増加しています。 また、ストや賃上げ交渉が頻発しています。コロナ対策で、求職者を救っていたが、反旗を翻された形です。経営者としては、辛いところですね。

(考察)ロボットで代替できる部分は、どんどん置き換えていくことが想定されます。特に、どんなに小さい商品でも同じ箱で配送しているように、ピッキングロボ/配送ロボが実装された段階でかなりのコストダウンが見込まれます。

出典:会社の決算資料を筆者加工

リスク情報(決算書より)

 競合が多い  ⇒(考察)IT広告大手でいうと、Google、メタに続き3位です。ただし、Googleとメタと異なるところは、Amazonの広告は、上位検索に組み込むもののため、直接購買活動に直結するため、エンゲージメント(契約率)が高い。よって、広告でも1位になる可能性も低くありません。

 新規参入者との競合  ⇒(考察)M&Aで買収しています。

 新しい事業への知見がない  ⇒(考察)ヘッドハンティングで人材採用していると想定されます。

おわりに

・この会社を分析して欲しいなど依頼がありましたら、コメント頂ければ、
 少しずつでも記載していきます。これからもよろしくお願いします。

・ブログ内で、個別銘柄の記載がございますが、投資は自己責任でお願いいたします。

コメント

  1. I do not even know how I ended up here, but I thought
    this post was great. I don’t know who you are but certainly you’re going to a famous blogger if you aren’t already 😉 Cheers!

    • kinyu-team より:

      Thank you for reading. I started writing things last week, so I am still getting used to it, but I believe in your word that I will be famous. Thanks for your support!

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