副業300円問題/追い詰められたマンション投資の実態(ヤバいシリーズ第2弾)

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投資の基礎、その他
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はじめに

 この記事では、下記の流れで記載しています。①副業300万円問題、②副業が雑所得に分類されることのデメリット、③雑所得にならないようにするためには?(フローチャートで確認)、④もっともヤバい場合として、マンション投資を例に挙げて説明します。雑所得に含まれそうな場合の、対策方法についても記載していますので、何かしら役に立てたら嬉しいです。

副業300万円問題とは

 政府は、副業を推進していたはずでしたが、突如方針を覆したかのように、原則300万円以下の副業は雑所得とすると、2022年8月に発表しました。まず、なぜこんな方針になったのかと言うと、赤字の副業を作って、所得税を節税しようというものがブームになったことで、ここが規制されてしまったのが背景と考えます。副業で頑張ろうとしている方の足を引っ張らないで欲しいですね。

 では、「雑所得」として区分されると何が困ってしまうのかということを振り返ってみようと思います。なお、雑所得でない副業は、「事業所得」として分類されます。

雑所得となることのデメリット

  1. 青色申告特別控除が利用できない
  2. 他の所得と損益通算ができない
  3. 3年間の損失の繰越控除が利用できない
  4. 税率が上がる可能性もある

 以下は、少し説明が細かいため、興味がある方のみご覧頂ければと思います。細かい事は気にしないという方は、フローチャートの図まで飛ばしてください。

 まず、1.の「青色申告特別控除が利用できない」は、所得があったとしても一定の条件を満たせば、所得(利益)の金額から一定の金額を差し引くことができた。つまり、青色申告特別控除の金額が65万円とした場合に、特別控除前の年間の所得(利益)の金額が65万円であった場合、ザックリの説明だとこの部分にかかる税金は0円となります。

 青色申告特別控除は①10万円(概ね誰でも利用できる)、②55万円(帳簿を付けている)、③65万円(申告書の提出を電子で行っている)となっており、かなり優遇された制度でしたが、副業が雑所得とされてしまう場合には、この特別控除を利用できないため、影響がかなり大きい(所得が大きくなり税金が多くなる)。

 次に、「2.の他の所得と損益通算ができない」は、下記に様になります。従来と同様に事業所得とされる副業の場合は、副業100万円の損失、給与で500万円を得ていた場合に、所得の合計は400万円(給与所得500-事業所得▲100)として計算されます。一方で、副業が雑所得とされてしまう場合、損失通算(損失と他の所得と相殺すること)ができないため、所得の合計は500万円(給与所得500万円-雑所得0円)となってしまいます。

 さらに、3.の「3年間の損失の繰越控除が利用できない」とは、事業所得などに損失 (赤字)の金額がある場合で、損益通算してもなお、相殺できない金額が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除することができるものです。雑所得となった場合は、この制度も利用することができません。

 最後に、税率について簡単に紹介しておきます。各所得の合計で税率が変わってきます。そのため、上記のように青色申告控除や損益通算が利用できない場合、税率が上がってしまう可能性もあります。税額の一覧は下記になります(令和19年までの各年分の確定申告においては、復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1パーセント)を併せて申告・納付することとなります。)。

課税される所得金額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円
出所:国税庁HPより

 さすがに、副業すべてを300万円で区切るのは乱暴で寄せられた意見も多く、国税庁も大きく方針を転換させました。基本的には意見聴取して方針が変わることが少ないので、今回の方針転換は歴史的に大きな意味を要するものと思います。

事業所得と雑所得を分けるもの

 現状では、下記の整理となっているため、ご自身の副業が、雑所得となってしまうのか、それとも、事業所得のままでOKなのか、下記のフローチャートで判定してみてください。NGになってしまった方は、対策も記載していますので、参考にして頂けれと思います。

出所:国税庁の基本通達の法令解釈通達より筆者作成、【転載禁止】

次のページでは、フローチャートの解説と、マンション投資のリスクについて解説したいと思います。

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