新型iPhone14発表のappleを3分解説/公認会計士による決算書のここだけの徹底分析

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米国企業の解説
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はじめに

出典:会社資料より筆者作成

・決算書サマリーでは見えなかった、アップルの隠された真実を解き明かしていきます。

【ここに注目】

①appleの成長は止まったのか、iPhone14から占う2023年

②調達ルートから見えた、appleの新戦略【超有料級】

・決算書と比較しやすいように、1ドル=100円として記載しています。

どんな会社?

【社歴など】
1976年:創業
1998年:Macを発表
2001年:ipodを発表
2007年:iPhoneを発表
2010年:iPadを発表
【製品ポートフォリオ】
①iPhone、②Mac、③iPad、④wearabels、⑤servicesに分類されている。
wearabelsには、Apple Watch、イヤホンどのアクセサリーが含まれる。
servicesにはApple Music、Apple TV+、iCloudなどが含まれる。
出典:会社資料より筆者作成

驚異的な利益率とキャッシュ・フロー

営業利益率は2019年/1月期の24,6%を底に、上昇傾向であり、2022年/2Qは27.8%となっている。また、営業キャッシュ・フローについては、2022/6月までの9か月間で9兆8,024億円を稼ぎだしており、超優良企業であると言える。


 特に、2021年は各製品の販売価格を上昇させたことが功を奏し、年間売上36兆5,817億円、営業利益10兆8,949億円を叩き出している。


 なお、稼いだキャッシュは、株主還元に使用しており、2022/3Qの9か月で、配当を1兆1,138億円、自社株買いを6兆4,974億円も行っている。株式数を減らしているため、EPSも急上昇している。
 ただし、通常成長企業は、配当や自社株買いに資金を回さず、事業へ投資することが一般的なため、株主還元に力を入れているということは、成長が鈍化していることの証左でもあることに留意が必要である。
 この点2022年に入ってから、半導体の供給不足や物流の混乱から、若干経営状況に変化が生じているように思えるため、成長の鈍化、今後の展開に焦点を絞って深掘りしていこうと思う

成長は鈍化している?

 2019年/9及び2020/9の売上成長率が前年比▲2%及び6%であったため、アップルも成長が止まったのではないかと、投資家に印象付けられた。これが一転、2021年9月の売上成長は前年比33%となった。

 3年で考えると年10%程度成長しているので、成長率としては充分かと思われるが、他のグロース株の成長率を見ていると物足りなさを感じる方もいるだろう。営業利益率に着目すると、2018/9から上昇傾向にあり、2018/9が26.7%、2019/9が24.6%、2020/9が24.1%、2021/9が29.8%となっている。

 営業利益率で検討すると、より利益を稼げる企業になっていることが分かる。

 直近のデータで検証してみると、2022/1Qの売上が12兆3,945億円、2022/2Qが9兆7,278億円、2022/3Qが8兆2,959億円となっており、右肩下がりの売上となっている。半導体の供給不足と物流の混乱から、売上が思うような結果が出せなかったと説明があったが、今後どのような展望となるか検討してみた。

 下の図をご覧いただけると分かるのだが、appleの決算は1Qが良くて、2Q、3Qはどんどん悪くなり、4Qに若干良くなるという季節的な傾向がある。これは図2の製品ポートフォリオの通り、iPhoneがappleの売上の50%を占めていることが大きな要因となっている。すなわち、新型iPhoneの発表が毎年9月にあるため、新型iPhoneが発売された当初に大きな売上となるので、10月から12月(1Q)の売上が一年で一番大きな売上となる。4Qが若干数値が回復するのは、9月の数週間分の売上が取り込まれた結果である。

 2022/2Q、3Qの数値だけを見ると、成長が鈍化しているように見えるが、恒例の季節性の変動のため全く問題ないことが分かる。  なお、過去3年間の3Qから4Qの売上の伸びの平均9.9%を加味して、2022/4Qの売上をシミュレーションしてみると9兆1,172億円となり、2022年の年間売上及び成長率は39兆5,354億円及び8.0%となる。この状況下ではなかなか善戦している方と言えるのではないか。

出典:会社資料より筆者作成

モノがないから売れない?

 半導体不足と物流の混乱の混乱で、製品がないため売れないという説明は本当か検証してみた。
 この点、在庫に着目してみると、2020/3Qが3,978億円、2021/3Qが5,433億円、2022/3Qが5,178億円と、年々売上が増加しているにも関わらず、2022/3Qは在庫が減っている。

 また、在庫率は2020/3Qが14.4%、2021/3Qが14.8%、2022/3Qが13.0%と2022年の在庫量と在庫率が減少していることが分かる。このため、製品がないから売れていないという説明と整合する。よって、来年以降、供給面の問題が解消されたら、売上が伸びることが想定される。

 なお、appleは2018年以降販売台数を発表していないが、IDCのレポートによると2022年は2021年より販売台数を増加させていると想定され、他社が販売台数を落とす中、appleは検討していると言える。また売上が増加しているのは、販売単価を増加させたことが大きく寄与していると想定される。

 ただし、2022年はappleも苦戦しているようで、Apple event2022の9月の新製品の発表が例年より1週間スケジュールが早い。これは少しでも新製品の売上を2022年に取り込みたいと考えているからではないか。appleは他社より決算書やその付属説明書がシンプルであり、秘密主義のように思えるが、例年同様のことを実施しているため、異なった動きをする時には何か理由があるのではないかと邪推される。

2023年以降の展望

 IDCの調査レポートによると、世界のスマートフォンの販売見込みは、2022年が2021年の販売台数より3.5%下回るものの、2023年以降は1.9%以上の成長率が見込まれると想定されている。2023年は良好な決算が期待できると思われる。

 apple製品の登録者数は8億人程度と言われている。iPhoneやMacを一度使うと、その虜になると言われている。私もその一人でもある。IDCの調査レポートによると、iPhoneのシェアは世界のスマートフォン販売台数の17%程度である。このため、全世界の人口が80億人を超え100億人へ増加中と考えると、まだまだ成長の余地がある。

 特に、Amazonなどの通販で何でも買える時代でも、appleは店舗での販売も重視している。世界中のappleストアの数は500を超える。これは、店舗でapple製品を体験してもらい、そのワクワクから、真に感動してもらってから製品を購入してもらおうとしている。モノからコト/体験への移行の流れに乗れている。

 appleの売上の50%程度がiPhoneのため、概ねiPhoneの動きを捉えておけば、appleの展開を読めるのであるが、来年以降はその様子が一変する可能性を秘めている。なぜなら、macの売上が大幅に伸びる可能性があるからと考えている。

 macと言えば、アーティストやミュージシャンなどのアーティストが使うイメージだったのであるが、大学の研究者に広まり、いまでは企業のPCも徐々にmacに置き換わってきている。macには、apple独自のチップセットのM1が搭載され話題になったが、その後継のM2が3ナノチップであり、性能が格段に上がっている。しかも3ナノチップであるが性能と比較して価格がそこまで高くないため、企業が興味を持ち始め、汎用機として普及する可能性があり、appleの売上製品ポートフォリオが大きく変わる可能性がある。

 9/7に発表のあった新型iPhoneのiPhone14に3ナノチップが搭載されるとの噂もあったが、これも半導体供給不足から、5ナノチップになった。衛星通信機能は付いたが、iPhone13からあまり進化がないのでは?、商品レビューが気になるところだ。

 現在ドル高が進行している。エリア別売上でみると大半がアメリカではあるが、それ以外の地域ではドル高になると、製品価格の上昇に拍車がかかるため、製品の売れ行きが落ちる。特に日本ではそれが顕著で、大きく落ち込んでいる。この点、2024年以降は多少ドル高も抑制されていると想定されるため、アメリカ以外の地域は、ドル高が落ち着いたら売上も大きく回復してくるものと考える。

出典:会社資料より筆者作成

2024年以降の展望

 【メタバース銘柄として】
 アップルはメタバースについては言及していないもののAR/VRには投資を継続している。メタバースをユーザーが作っていくには、Macのようにスペックは高いがそこそこの価格で購入できるものが必要となる。また、メタバースを利用する消費者にとっても、iPhoneやMacのように高性能で映像に互換性の高い端末の方が受けるだろう。メタバースの展開は少し先になろうかと思うが、その際にはapple製品のシェアが高まっていることを想定する。

 【半導体会社として】
 5Gの通信モデムはクアルコムの外注しているが、早ければ2023年に内製化するとされている。以前AMDに外注にだしていたチップをM1(内製)/M2に置き換え内製化に成功している。この性能の高さが証明されてくると、apple性のチップ、通信モデムが他社に販売され半導体会社となるようにも思える。
 

 この戦略はAmazonが自社で使用していたデータセンターのAWSを外販して、現在の急成長を支えているのと同様の構図が見えてくる。このシナリオは私の空想ではあるが、近い将来実話になり、SOXLのトップにappleが組み込まれている日も遠くないと思う。また、appleにはそれを成し遂げるだけの技術、チーム、財力がある。正直、このシナリオに行き着くまでは、appleは買い増すのは止めておいた方が良いという結論であったが、180度転換しようと思う。1株150ドル付近では買い集めて良いと考える

おまけ

 appleは、他の大型グロース企業とどのように戦っているのかという点で、競合にとってはかなり大きな出来事があった。それが、個人情報に関するプライバシーポリシーの変更である。これにより、広告連動型の広告を行っていた企業が情報を集めにくくなり、Googleやメタ(Facebook、Instagram)は大きな打撃を受けた。

 広告連動型の広告で、プラットフォームビジネスが隆盛を極めたが、プラットフォームより消費者に近い端末プレイヤーがキャスティングボードを握ることになる。

おわりに

・最後まで、お読みいただきありがとうございます!

・この点をもう少し詳しく解説して欲しい、解説して欲しい他の会社などありましたら、
お気軽コメントください。お待ちしています。

・シリーズ化してお届けしていますので、シェア、コメントなどで反応してもらえたら、
更新の励みになります。

・個別銘柄の記載がございますが、投資は自己責任でお願いいたします。

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