インフレ下で絶好調のダラー・ゼネラル(DG)を3分解説/公認会計士によるここだけの徹底分析/お宝株発見で寝るだけ投資

スポンサーリンク
ヘルスケアセクター
スポンサーリンク

はじめに

  • インフレ下で、商品価格が上昇している中で、低価格帯の商品を取り揃えているディスカウントストアが絶好超である。そこで、ディスカウントストア大手のダラー・ゼネラルを検討してみたいと思います。

【ここに注目】

  • 成長は続くのか?
  • ダラー・ゼネラルの強さの秘密
  • 今後の成長を支えるエリアとは?

※決算書と比較しやすいように、1ドル=100円として記載しています。

出所:楽天証券ツールより筆者作成、日足3か月

どんな会社?

出所:会社資料より筆者作成

 ダラー・ゼネラルは2022年2Q現在、全米47州に18,566店舗を展開する米国最大のディスカウントストアである。食料品、清掃用品、健康・美容用品、ペット用品など幅広い品揃えの消耗品と、季節商品、家庭用品、アパレル商品などの非消耗品を取り扱っている。競合のダラー・ツリーと同様にダラーストアと言われるが、日本の百円均一ショップとは異なり、10ドル未満の商品をメインに取り扱っており、100円よりは平均単価が高い商品を取り揃えている。

出所:公式HPより

 また、ダラー・ゼネラルは独自のプライベートブランドを扱っているが、大手メーカーのナショナルブランドも多く取り扱っている。ホームページに代表例として挙げられているのは、クロロックス、エナジャイザー、P&G、ヘインズ、コカコーラ、マーズ、ユニリーバ、ネスレ、キンバリークラーク、ケロッグズ、ゼネラルミルズ、ペプシコである。

 ダラー・ゼネラルの特徴は、小さな店舗を立地条件の良いところで出店し、高品質な商品を魅力的な価格で提供するということである。COVID-19がまん延した際にも、エッセンシャルビジネスとして全ての店舗を開店し、人々の生活を支えるとともに、2022年のインフレ下においては、様々な商品が値上りする中で、消費者に重宝されているお店/会社である。

 商品ポートフォリオから分かる通り、商品の品揃えは豊富であるが、メインの商品は売上の79%となる生鮮食品を含む消耗品となっている。

 なお、混合してしまいそうなのであるが、ダラー・ゼネラルは、ファミリー・ツリー及びダラー・ツリーとは別会社である。

出所:会社資料より筆者作成

成長は続くのか?

 ここ数年1年間で1,000店舗以上新規で出店しており、このまま成長が続くのか注視する必要がある。よくあるケースは、イケイケの企業で流行に乗り、めちゃくちゃ出店したものの、ブームが過ぎて結局倒産するというものである。ただし、ダラー・ゼネラルの場合は、80年以上も続く老舗であり、長い年月をかけて築き上げた信頼があるため、上記のような会社とは異なるが、その検証をしてみようと思う。

既存店舗数、既存店売上成長率

 小売業界で重視される指標の1つとして、既存店売上の成長率がある。なぜ、既存店売上が重視されるのかと言えば、新規出店を繰り返すことで、売上高の増加は演出することができるため、新規店を除いて従来から営業している既存店の売上と成長率を見ることで、売上成長が伸びているのか、又は、鈍化しているのかが分かることとなる

出所:会社資料より筆者作成

 そのため、ダラー・ゼネラルの既存店(「same-store」)数とその成長率を見てみよう。もちろん閉店している店舗もあるが、既存店は順調に増加している。なお、2012年の総店舗数は約1万500店だったものが、現在1万8566店となっており、そのうち1万7,397店が既存店である。10年で店舗数をかなり増やしていることが分かる。

 2020年1Qから2022年2Qの約2年で約2,000店も増加していることとなる。2021年にエッセンシャルビジネスとして重宝されたこともあり、2020/1Qから4Qの既存店成長率は10%を超えている。この反動で、2021/1Qから4Qの既存店成長率は全てマイナス成長(平均▲3.1%)であった。この点、2022/1Q、2Qは成長率を戻してきており、それぞれ、0.1%、4.6%となっている。完全に回復しているか確認するためには、3Qの数値も検証したいところである。

改装と既存店売上の関係

 次に、どれだけの店舗を改装(「remodeled」)しているのかも重要な指標となる。古い寂れた店舗を改装するば、売上が復活するのであるが、投資資源も限られているため、どの程度店舗をテコ入れしないと売上が伸びないのかが、この指標で分かる(指標の見方としては、既存店売上がマイナスに転じている中で、改装費用を大幅にかけたが、既存店売上が伸びてこない場合は要注意となる。)。

出所:会社資料より筆者作成、左のメモリが店舗数、右のメモリが金額

 2020年1Q以降の数年間では、四半期平均2.9%、年間で10%の店舗を改装していることとなる。単純計算すると、年間で10%と考えると、10年に一度改装する頻度ということである。かなり長い間営業していることを踏まえると、そこまで積極的に改装しているものではないことが分かる。つまり改装に拘らなくても集客が行えているということである。もちろん衛星的に問題がある店舗は論外であるが、品揃え、魅力的な価格、便利な立地など他の魅力で惹きつけることができているということだ。単純計算すると、年間で10%と考えると、10年に一度改装する頻度ということである。

 上記の2つの指標を前提に考えると、ダラー・ゼネラルの店舗数は増加しているものの、既存店の売上が鈍化している傾向は現状では見られず、しばらく成長することが見込まれる。

次のページでは、ダラー・ゼネラルの強さの秘密、新しい仕組み、株価について検討しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました