AI銘柄-ファナックの徹底分析

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日本企業の解説
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どんな会社?

 一言でいうと、ロボット大手企業です。工作機械用CNC(コンピューター数値制御)システムでも有力な会社で、他に、サーボモーターやレーザー発振器、CNCドリル、全電動式射出成形機、ワイヤカット放電加工機などもラインナップとしてあります。

 1972年に富士通<6702>からNC(数値制御)部門が分離して設立された会社です。主要な事業部門は、①「サービス」、②ロボドリル(小型マニシングセンタ)やロボショット(電動射出成形機)などの「ロボマシン」、③「ロボット」、④工作機械向けのCNC装置などの「FA(ファクトリーオートメーション、工場自動化)」で構成されています。

 若干「ロボット」部門の比率が、全体の売り上げと比較して増加していていますが、そこまで大きな変化がありません。

なぜ今ファナックなのか?

 フィジカルAIという観点では、各種製造現場へロボットを提供しているファナックが先んじているのは、ご存じかもしれません。世界を見渡しても、このロボット関連では、トップ4が日本の勢力となっています。①ABB(スイスの会社、ソフトバンクが買収)ファナック、安川電機、KUKA(ドイツの会社、中国美的集団)。日本勢が技術力でリードし、欧州勢は協働ロボットやブランド力、中国資本は市場拡大力で競い合っています。

 このロボット関連事業は、年率20%以上で急成長していて、今後さらに発展すると言われています。特にAI銘柄が物色される中で、生成AIブームが一時休止する中で、次に発展する銘柄の物色として、フィジカルAI銘柄として、上記4社が注目されています。

エヌビディアとの提携で別次元へ

 ひとつ大きな動きがあったのが、ファナックとしても(決算カンファレンスより)、人型ロボットが重要であると考えていて、製造現場のロボ技術を活かして開発でリードしていきたいと言っていました。また、この人型ロボットの開発においては、ハード部分のみならず、知能部分が重要であり、このAIの開発に一層力を入れていきたいとしている。

 ここで、重要なのがAIについて独自で開発するというよりは、エヌビディアと提携して開発するという点である。ひと昔前であれば、日本企業のみで開発するという過ちも犯しそう(日本独自のロボット開発のKyohaは、別の機会に取り上げます)であるが、最先端の企業と提携して進めることは大きな変革です。(エヌビディアのコスタ氏によると、仮想空間でロボに適切な行動を学ばせる技術をはじめ、「フィジカルAIは過去3年間で急速な進化が見られた」と強調。ロボが製造現場で新入社員を教育したり、人間が作業する間の安全監視などの業務も担えるといい、企業から導入に向けた問い合わせが増えている

 一足飛びに、人型ロボットが開発できて、売上にインパクトが出てくるかというとこの点は疑問があるが、仕込んでおいて良い銘柄です。エヌビディアやブロードコムのように、半導体の売上が急増して、売上が急伸、営業利益率も倍とはならないので、ゆっくりと育てていく感じかと思います。

財務分析等

 売上、利益は若干右肩上がりで、安定している会社です(もっというとグロース株ではない。。)。

 決算上では、設備投資は2Q終了時点では、過去平均より少なめ、研究開発費も過去とどうレベルと特段の動きがないのは気になるところである。エヌビディアとの提携により3Qで設備投資と研究開発費どのように動いているかを注目する必要がある。

今後の戦略

 ホルダーといては継続保有、新規に入るのであれば、生成AI関連銘柄の売り一巡後に入ると面白いと思います。一時6,300円台まで上って、執筆現在では5,600付近です。将来を見るのであれば、どの株価で入っても良いと思う銘柄です。現在(フィジカルAIの期待はあるが売上に全く入っていない)の指標で、PER36倍、PBR3倍であればそこそこ投資妙味がある水準です。

 ただ、若干市況が良くないため、少し様子見しても良いかとも思います。

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