クリーンエネルギー銘柄テスラの3分解説/決算書で分かるテスラ株の特徴

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米国企業の解説

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はじめに

出典:会社資料より筆者作成

【会社概要①】言わずと知れた、2008年からEV車の製造を行っている米国企業です。なぜ、ここまで人を熱狂させるのか、その秘密に迫りたいと思います。

【会社概要②】通常の製造業では成しえなかった、新しいモデルを構築しつつあります。日本の雄であるトヨタとの比較もしています。

決算書と比較しやすいように、1ドル=100円として記載しています。

インフレ抑制法案(IRA)の恩恵を最大限受ける

 インフレ抑制法案の恩恵を最大限受けると言っても過言ではない。消費者側とテスラの会社側とダブルで恩恵を受けるため、EV車の購入は今後ますます増えることが期待される。

 まず、消費者側であるが、クリーン自動車の購入に際して消費者税控除(10年間で89億ドル→詳細は、北米で再利用されたものである場合3,750ドル。バッテリの部品の一定割合が北米で生産される場合3,750ドル、両方適用可能)が設定され、加えて、低中所得層に対する中古のクリーン自動車へ転換に際しての税控除(4,000ドル)も導入された。

 次に、テスラ側であるが、クリーン技術製造施設の投資税控除(10年間で63億ドル)を受け取ることができる。

 この影響により、ドイツのギガファクトリーの拡張計画を中止して、米国内でバッテリーを生産することを検討すると戦略を変更した。

脅威の営業利益率

 2Qの営業利益率は14.5%であった。トヨタも営業利益率は良いと思うのですが、そのトヨタも2022/3の一年間で9.1%だったことと比較すると、その凄さが分かる。なお、日本の製造業の平均は5%程度となっている。

 また、2019/12では赤字、2020/12で6.1%、2021/12で12%と年々上昇しているため、今後の利益の増加にも要注目である。 (メモ)income from operations(営業利益)

出典:会社の決算資料を筆者加工

なぜ、営業利益率が高いのか?①コスト面

(考察)CEOのイーロン・マスク氏がTwitterで発信するなどして露出していることから、広告費が大幅に削減できていることが考えられる。

(考察)発売するモデルを限定することで、部品の共有化を図り、製造原価を圧縮させている。

(考察)部品点数が極端に少ない、ガソリン車を製造するには一般的に3万点の部品が必要と言われている。この点、テスラ車は700-1000個程度の部品で製造できていて、組み立てコストも大幅に削減できている。 Automotive salesの売上と原価で比較すると、利益は3,157億円となり、売上総利益率は25%となる。トヨタの売上総利益率は16.5%(2022/3)であることを考えると、これもまた驚異的である。 また、直営店販売により、代理店マージンを圧縮できていることから、operating expenses(販管費)を抑えられていることも大きい。

出典:会社の決算資料を筆者加工

なぜ、営業利益率が高いのか?②価格面

 2022年はインフレの年と言っても良いだろう。この影響で材料の仕入れ価格が上昇し、人件費が高騰しているが、価格転嫁が追い付かず、当期純利益が予想を下回った会社は多い。 この点、teslaは、価格転嫁が非常に上手い。あれ?この間値上げしたばかりだよね?というくらい頻繁に価格を上げている。2022年3月から、4回も以上値上げしている。

(考察)今のインフレが収り、材料仕入れ、人件費が下がってきた時に、販売価格を据え置くのかが注目するところである。

在庫の少なさにも注目

 teslaは受注販売を徹底していることから、在庫が極端に少ない。 トヨタの在庫率が13.1%(2022/3)に対して、teslaは13.8%(2021/12では13.0%)となっており、天下のカンバン方式と同程度となっている。 (memo)在庫率=棚卸資産÷売上 、Inventory(棚卸資産)

出典:会社の決算資料を筆者加工

利益率100%? Automotive regulatory creditsとは?

 これは、排出権売上です。EV車がCO2を排出しないことから、他社に排出権を販売している。 この排出権の凄いところが、原価がかかっていません。図で見ると分かりやすいのですが、PLの他の項目は、RevenuesとCostで上下に項目がありますが、Automotive regulatory creditsはRevenuesにのみ出現している。

(考察)製造台数に応じて増加していくため、今後も増加することが見込まれます。一方で、他社が全てEVに置き換わったら時は要注意。 2020年12月21日に正式にS&P500への組み入れが決定されました。その時に黒字化できた大きな要因がこの排出権売上でした。本業の売上ではないところで稼いでいたので、この黒字が継続できるのか疑問視され、3か月組み入れが延期されました。今思えば、本業でもバッチリ稼げているので、全く問題なかった、結果論ですが。

出典:会社の決算資料を筆者加工

その他の情報

 ギガファクトリーが拡張予定となっている。 工場の場所一覧が下の図で、「TBD」というのは、To Be Determinedの略で、未定ということ。 次はカナダに設立許可を申請している模様。現状では最終的に10-12の工場を建設予定で、まだまだ拡大路線となっている。 リコールの情報が溜まっていない? 国交省の「リコール届出一覧表」を検索すれば、リコールの一覧が見れます。ただ、販売台数、年数の経過がないと統計データとして使えないのかもしれません。このリコール情報は今後も追っかけていこうと思います。

出典:会社の決算資料を筆者加工

おわりに

クリーンエネルギー関連については、下記も参考にして頂けたら幸いです。

・最後まで、お読みいただきありがとうございます!
・この点をもう少し詳しく解説して欲しい、解説して欲しい他の会社などありましたら
 お気軽コメントください。お待ちしています。

・ブログ内で、個別銘柄の記載がございますが、投資は自己責任でお願いいたします。

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