高配当株のAbbVie(ABBV:ヘルスケアセクター)を3分解説/公認会計士によるここだけの徹底分析/お宝株発見で寝るだけ投資

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ヘルスケアセクター
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アラガン買収の効果

 アラガンがアッビィに合流し、売上やパイプラインの幅が広がったことは言うまでもない。アラガンというと、もともと美容関連のボトックスやヒアルロン酸注入材等が売上4割を占めていたことから、美容のイメージもあるが、アラガンの強みは、合流以前も売上の3割を占めていたアイケアにもあると考える

 特に注目したいのが、老眼と緑内障などのアイケア領域への対応である。

 まず、老眼についてであるが、40歳以降に老眼になると言われており、日本でも7,000万人以上が老眼で悩まされている。老眼の対策は眼鏡やコンタクトレンズが主流であったが、点眼液が登場し、米食品医薬品局(FDA)に初めて承認されたのが、アラガンのピロカルピン点眼液である。ピロカルピンは瞳孔の周りの瞳孔括約筋を収縮させて、瞳孔を縮め近くにピントが合うようにする。

 次に緑内障についてであるが、これは失明原因の第1位となっている。緑内障は進行性の症状で薬による治療が主である。薬による治療で効果が出ない場合、レーザー治療や手術治療が行われていた。この代替法として、歯でおなじみのインプラントを入れる方法が確立されてきた。このインプラント法でこれまでの治療が奏功しなかった原発性開放隅角緑内障患者に「XEN63ゲル・インプラント」が使用可能となった。

 人類は、かつてないほど、目を酷使している。特に、ここ10年間で飛躍的にパソコンやスマホを使用する時間が増えたのではないか。視力が落ちたり、異常が続出するのはこれからだと考える。その際に、アイケア領域に強いアッビィは面白い銘柄と言える。 

財務状況と高配当の継続

 アラガンの買収効果もあるが、売上は堅調に成長している。2019年の営業利益と売上は、コロナの関連もあり鈍化しているが、2020年以降には回復している。高配当の会社は基本的には成長していない会社が多いが、アッビィは高配当かつ年間成長率が18%超と稀な会社である。上述のパイプラインでご覧頂いたように、多くの治療薬を開発している結果だと思われる。ただし、直近2022/2Qの成長率は4.4%と若干苦戦している。

出所:会社資料より筆者作成

 また、アッヴィは連続増配銘柄として、S&Pグローバル社の配当貴族指数の構成銘柄となっている。2022年10月現在で配当利回りは4.1%となっており、配当貴族指数銘柄の配当利回りランキングの中でも上位層の配当利回りとなっている。

 この配当を支えているのが、潤沢な営業キャッシュ・フローである。2021年には年間2兆円、2022/2Qの6か月間でも9,913億円の営業キャッシュ・フローを叩き出している。また、営業キャッシュ・フローの成長率は、5年平均で27%と驚異的な数値となっている。売上の年間成長率を上回るキャッシュ・フロー成長率はなかなかお目にかかれない。

出所:会社資料より筆者作成

株価の推移

出所:楽天証券ツールにより筆者作成

 なかなか歴史を感じさせるチャートとなっている。2022年には、2018年の高値を抜けて新しいレンジに入ったと思われる。相場全体の下落などで120ドル付近になったら、面白い展開だろう。

 一般的には2023年にヒュミラの特許切れが意識されているので、垂れてきたら買いを入れておくと面白いと思われる。特に株価が下がった時には、配当利回りも上がっているため、最高の投資先になるだろう。仮に下落してこなったとしても、現時点での配当利回りは4%超であり、増配傾向は継続すると思われるため、ディフェンシブ銘柄として保有しておいて良いだろう。

おわりに

・最後まで、お読みいただきありがとうございます!
 ヘルスケアセクター他、他の企業も分析していますので、他の
 記事も寄ってもらえたら嬉しいです。

・この点を申し少し細かく検討して欲しいや、
 他の企業を分析して欲しいなどありましたらお気軽にお問い合わせください。

・米国株の分析をしているので、お好みの個別銘柄と出会えたら幸いです。
 
・個別銘柄の記載がございますが、投資は自己責任でお願いいたします。

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