医療保険会社最大手のユナイテッドヘルスグループ(UNH)を分析/投資環境、株価、決算の状況を分析/お宝株発見で寝るだけ投資

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ヘルスケアセクター
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将来性について(ベンチャー企業の買収の連続)

 ユナイテッドヘルスグループは、Optum(オプタム)(②OptumHealth、③OptumInsight、④OptumRx)の医療サービスを拡充させるため、次々をヘルスケアのスタートアップ企業を買収している。ヘルスケア決済会社の「Equian」、腎臓透析サービスの「Davita Medical Group」、「チェンジ・ヘルスケア(直近まで買収差し止めなど検討中であった)」も買収しているが、特徴的なのは、下記である。

 患者コミュニティプラットフォームの「PatientsLikeMeを買収(金額非公開)している。このサービスは患者同士がSNSで症状、薬の量などを共有するものであるが、このデータを蓄積してフィードバックすることで疾患に対する対処法などを全体最適に導こうとするものである。

 遠隔患者モニタリングシステムの「Vivify Health」を買収(金額非公開)している。このサービスは、遠隔地の患者をモニタリングすることで、高額な緊急治療室への再来を抑えることに成功するとともに、看護師などが自宅へ直接訪問することと比較して、低コストかつ短時間でサポートできるようになった。

 メンタルヘルスケアプラットフォームの「AbleTo」を買収(470億円)している。これは、仮想空間で、バーチャルセラピー/コーチングを受けることで、メンタルヘルスをケアすることで、医療費を削減することを狙っている。これは、在宅時間が増えて社会と分断されることが増えてメンタルヘルス患者が増加したことに対応するものである。

 在宅医療サービス大手の「LHCグループ(37州に950以上の拠点を持つ)」を買収(5400億円)している。医療保険データを分析して、医師や医療施設に患者を紹介するサービスにLHCグループの事業を統合して、在宅医療やオンライン診療のサービスを拡充させる。

 これらに共通することは、デジタルヘルスケア/遠隔医療サービスを提供する企業ということである。日本では病院に行けば診察を直ぐに受けられるのであるが、米国では予約しても直ぐに受診できるわけではなく数日待たされることもある。そのため、遠隔医療サービスが拡充されれば、調子が悪い時に、無理に病院に行かずに済む。

 また新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、在宅医療が急成長した背景には、医師や看護師と患者が接触しないでも済むというメリットもあったと思われる。

 少し余談ではあるが、Amazonは一度断念したヘルスケア分野に再度進出しようとしている。これは、Amazonのデータ分析、商品網など現状の事業とリンクすることもあるが、前提としてヘルスケア分野に成長可能性が高いとAmazonが判断している可能性もある。

株価の検討

出所:楽天証券ツールにより筆者作成

 株価の推移を見てみると、投資の教科書に載りそうなくらい綺麗なチャートとなっている。コロナショックの下げも限定的である。過去5年間のPERは概ね20倍程度で推移しているが、寄稿時点の9月では28倍となっているため、過去の推移からは若干アウトパフォームしている状態である。

 ここ5年間の売上の年間成長率の平均は9.3%となっている。また、営業利益率はほぼ一定で平均8.1%である。つまり売上が成長していて、営業利益率が一定であれば利益は増大していることを意味する。

 また、営業キャッシュ・フローも堅調に増加しており、2019年が1兆8,463億円、2020年が2兆2,174億円、2021年が2兆2,343億円となっている。2022年2Qの6か月合計では、1兆2,190億円となっているため、傾向に変化はない。

 ユナイテッドヘルスグループの事業及び戦略には死角がないようにも見える。敢えて、懸念点を挙げるとすると、無保険者の人数が減ってきているため、保険加入者は上限に近づきつつある可能性があることだ。

 この点、加入者の数で売上が伸ばせないのであれば、単価を上げていくことだと思われる。この点は問題ないだろう。まず、保険料の単価は拡大傾向である。特に米国の医療保険は職場を通じて加入する方が多く、サービスを受ける人と、料金を払う人が異なるため、料金が高騰しやすい(結婚指輪戦略と同じ)。また、在宅医療サービスやメンタルヘルスケアの拡充により、付加価値を上げてきていることも売上の増加に寄与すると考える。

 ゆっくりと右肩上がりの株価なため、いつ買っても良いと思われるが、派手な成長は期待しない方が良いだろう。

おわりに

・最後まで、お読みいただきありがとうございます!

・この点をもう少し詳しく解説して欲しい、優先して解説して欲しい他の会社などありましたら
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・シリーズ化してお届けしていますので、シェア、コメントなどで反応してもらえたら、
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・個別銘柄の記載がございますが、投資は自己責任でお願いいたします。

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