セールスフォース株のCRMソリューションが変えるビジネスの未来- AI技術の進化による新たな展開

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米国企業の解説
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経営状況

出所:左図、会社資料より筆者作成、右図、会社資料

 セールスフォースは、売上を順調に増加させています。ガイダンスでも順調な成長を見込んでいるので、売上の成長についてはあまり心配はなさそうです。特にこのようなアプリは、一度広まると加速度的にユーザーが増えることが想定されます。2023年現在では売上の67%がアメリカであるため、他地域での成長余地は充分と考えています。

 セールスフォースの良い点は、多くのDX系企業とはことなり、利益を出していることです(私の基本スタンスとしては営業赤字が膨らんでいる企業は投資しません)。ただし、その営業利益率はかなり低いため、注意が必要です。

出所:会社資料より筆者作成

 なぜ、このように営業利益率が低いのか、理由を考えてみました。

  1. 投資による成長戦略の追求:セールスフォースは、積極的な投資により新規顧客獲得や製品開発などの成長戦略を追求しています。そのため、費用の増加が収益性に悪影響を与えることがあります。
  2. クラウドサービスの競争激化:クラウドサービス市場は、競争が激しくなっています。セールスフォースも、MicrosoftやOracleなどの競合他社との競争に直面しており、価格競争や機能面での優位性を維持するために投資が必要となっています。
  3. サービスの拡大による費用増加:セールスフォースは、顧客に対して高品質なサービスを提供することを重視しており、そのために必要な費用が増加している可能性があります。
  4. ドル通貨変動の影響:セールスフォースはグローバル企業であり、通貨変動の影響を受ける可能性があります。特に、米ドルが強い時期に日本円など他通貨での収益を計上する場合、営業利益率が低下する可能性があります。これは、利上げ停止or利下げになる2024年には解消することを想定しています。

 上記、1.2については、研究開発費を見てみると面白いことが分かります。研究開発費の売上高に占める比率がここ4年間16%台でキープさせています。つまり、過大な研究開発費は投じないで、企業規模に合った研究開発費に収まるようにコントロールしていることが分かります。この観点から、利益の推移を見ると、赤字にならない範囲で、費用を最大化させて成長に舵を切っているように見えます。これをリスクとみるか、将来さらに成長が見込めるとみるかは、好みの問題かと思います。

 個人的に良い会社と思うのは、営業キャッシュ・フローが確保できていることです。2022年は6,000億円、2023年は7,111億円の黒字となっています。直近では自社株買い4,000億円を実施しており、株主還元にも積極的です。

株価の推移

 グロース株、特にDX系株にとっては、利上げ局面が逆風となっています。また、ZOOMなどを代表とするCOVID-19がまん延した際に、業績を伸ばしてきた企業が、企業価値の見直しが行われ株価が低迷しています。セールスフォースもこの波にのまれて、株価が低迷しています。万年赤字垂れ流し、リモートワーク下でしか利用しないサービスとは異なり、今後のDXを支えていく企業かと思うので、だいぶ叩き売られている感はあります。

 5年前と比較してもらえれば分かりますが、業績の伸びと比較しても、全く評価されていない。直近の決算が良くて日足では窓開けしていますが、まだまだ安いのでエントリーしておいても問題ないかと思います。

出所:楽天証券ツールより筆者作成、週足5年

おわりに

  • 最後まで、お読みいただきありがとうございます!
  • この点を申し少し細かく検討して欲しいや、 他の企業を分析して欲しいなどありましたらお気軽にお問い合わせください。
  • 米国株の分析をしているので、お好みの個別銘柄と出会えたら幸いです。
  • 個別銘柄の記載がございますが、投資は自己責任でお願いいたします。

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