スマート農業がここまで進化した/ディアー(DE)を3分解説/公認会計士によるここだけの分析/お宝株発見で寝るだけ投資

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米国企業の解説
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はじめに

出所:会社資料より筆者作成
・商品価格の高騰で見直されている農業セクターその中で、
 最も成長しているディアー(deere:DE)を検討してみたいと思います。

【ここに注目】
①日本の農機メーカー「クボタ」との業績とトータルリターンの比較
②【スマート農業】完全自律型トラクターとドローンの凄さ

・決算書と比較しやすいように、1ドル=100円として記載しています。

どんな会社

 世界最大の農機メーカーであり、主に4つの事業部があり、①生産/精密農業事業(Production & precision ag)、②小規模/芝生事業(Small ag & turf)、③建機事業(Construction & forestry)、④金融サービス/(Financial services)となっている。顧客層は、①は穀物・綿花。砂糖の生産農家向けに、②は酪農家、畜産農家、公共施設向け、③は建設業、林業向けとなっている。④はリースなどで①~③の顧客向け。

 今回の分析は、Deereの売上の7割程度を占める農業関連①と②の事業にフォーカスして分析してみようと思う。

出所:会社資料より筆者作成

業績比較 Deere VS クボタ 

 年間の数値で比較した方が季節的な変動がないため、断りのない箇所はDeereは2021年10月期、クボタは2021年12月期の数値で比較している。また、決算書と比較しやすいように、1ドル=100円で記載している。 

 売上と売上成長率は、Deereが4兆932億円/23.8%、クボタが2兆1,967億円/18.5%となっている。営業利益及び営業利益率は、Deereが8,503億円/19.3%、クボタが2,462億円/11.2%となっている。規模はそれぞれであるが、Deereの営業利益率がクボタの1.65倍程度となっており、Deereがより稼げる企業であることが分かる

 そして営業キャッシュ・フローは、Deereが7,726億円、クボタが925億円となっている。この点、クボタの営業キャッシュ・フローが営業利益と比較して低いため、直近の決算で比較してみると、Deereが418億円(9か月合計、2022/3Q)、クボタが▲220億円(6か月合計、2022/2Q)となっている。Deereも同様であるが、両者とも在庫が積みあがっているため、営業キャッシュ・フローが営業利益より悪い数値となっている。特に、クボタの場合は、営業キャッシュ・フローが赤字になり、本業でキャッシュを稼げていないため、まずい状況であり、2022/3Qの営業キャッシュ・フローに注目する必要がありそうだ。

 Deereの2022/2Qで売上を一番伸ばしている事業は、①のProduction & precision agであり、前年同期比44%の成長率となっている。商品価格が上昇していた影響で農機の需要も高かったと推測されるが、足元では商品価格が落ち着いているので、売上の反動減には注意したい。

配当と株価比較 Deere VS クボタ

 まず、Deereの5年間の配当金合計は14.50ドル/1株、クボタの5年間の配当金の合計は180円/1株となっている(5年前の株価で考える配当利回りはDeereが2.32%、クボタが1.76%)。直近の配当利回りは、Deereは0.9%、クボタは1.0%となっている。下の図の通り、両者とも増配傾向である。

 次に、Deereの株価は2017年9月末の125ドルから、2022年9月現在の362ドルと2.89倍なっている。一方クボタはの株価は2017年9月末の2,045円から、2022年9月現在の2,142円と1.04倍なっている。

 直近の配当利回り(インカムゲイン)では、クボタが若干良いが、キャピタルゲインを含めたトータルリターンで考えるとDeerの圧勝である。

出所:会社資料(deere及びkubota)より筆者作成、チャートは楽天証券ツールにより作成

 Deereの株価は、小麦(緑)やコーン(赤)などの商品価格とある程度している。ただし、2020年半ばくらいから、商品価格をアウトパフォームしているため、何が強さの原因なのか検討してみたいと思う。上の図は、配当金の推移と、2017年9月を0として、クボタ(青、一番下)、Deere(紫、一番上)の株価推移のチャートである。

 次ページでは①完全自動農機/ドローン②Deereの成長可能性③世界の農業分野を検証

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