はじめに
・インフレの原因はコロナによるモノの供給減と地政学リスクによる原油高騰と言われていましたが、これらが落ち着いても、インフレは収まる気配がありません。このインフレの本当の原因は何か探っていこうと思います。 ・アメリカのインフレ率(CPI:消費者物価指数)が直近で9.1%となっています。 ・ゆるやかに景気が拡大していくのが良いとされていて、インフレの目標は日本もアメリカも2%としています。 ・インフレ率を抑えるために、金利を上げて抑制しようとしていますが、金利が上昇すると、株価(特にグロース)が下がるとされているため、インフレ率と金利上昇にみんな過敏になっています。 ・このインフレがなぜ起こっているのか、SBI証券の北野氏の説を深掘りしてみたいと思います。
転換点は2018年だった
・下の図は、10年国債の金利(青の線)と、移動平均線(赤の線)が表示されています。 ・10年国債の金利は約30年間でトレンドが変化すると言われていて、金利の長期上昇トレンドに入った可能性があることが示唆されています。 ・現在、金利が移動平均線を超えて上昇して、金利が大変注目されています。実は直近2018年でも移動平均線を上に抜けている時期がありました。ただ、2018年は、その後コロナショックがあったので、金融緩和により金利は低下していきました。 ・FRBパウエルさんは2021年にインフレは一時的と発言していましたが、金利が転換していた2018年に、社会の構造が変化して、構造変化がインフレの原因ではないか?というのが、北野氏の説です。
インフレの正体
・2018年から徐々に起こってきた変化は下記となります。 ・①~⑤のどこか一部分が上がっていくのが通常ですが、今は、企業の全ステークホルダーが得をしたいと思っている環境になっています。 ①企業は需要に追い付こうと、価格を上昇させます。 ②求人数が多いため、人件費が高騰します(失業率の低下) ③FFレートの上昇に伴い、銀行が金利を上げます。 ④法人所得税は2018年に35%から21%に減少させましたが、課税逃れ防止のため、OECDの取り決めで最低15%としましょうとなりました。また、21%の法人所得税を28%に上げる検討もされています。 ⑤株主への還元もアクティビストから突き上げられています。
インフレはいつまで続くのか
・コロナの供給減で物価が上がる、地政学リスクの影響で原油が上がる、この2点がインフレの正体のように言われていましたが、これらが下がってもインフレが落ち着く気配がありません。 ・ボルカー議長時代はインフレ退治に1979年から1982年の3年間かかっています。しかもその間、金利を1%上げた回数が、なんと6回もありました。 ・〇〇ショックみたいのが来て、景気後退局面に入れば、インフレと金利の上昇は止まりますが、ショックなしで、ダラダラ行くとあと2年くらいはかかるのではないかなと考えています。
おわりに
・最後までお読みいただきありがとうございます。 ・3分で分かるシリーズを出して行きますので、気に入ったらブックマークなど頂けたら嬉しいです。
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